インバウンド

【データで見る】三重県のインバウンド市場を徹底解説!外国人観光客の訪問ルート・宿泊状況・最新トレンド

2025年6月15日

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三重県のインバウンド市場

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三重県の人気観光地

伊勢神宮

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伊勢神宮は「お伊勢さん」として親しまれ、日本人の心のふるさととも称される神社です。
天照大御神を祀る内宮と、豊受大御神を祀る外宮を中心に、125の宮社から構成されます。静寂な森に囲まれた神聖な空間は、国内外の訪問者に深い感動を与えています。

長島エリア(ジャズドリーム長島など)

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長島エリアは、国内最大級のアウトレット「ジャズドリーム長島」や、季節の花と幻想的なイルミネーションが楽しめる「なばなの里」など、買い物・自然・温泉を一度に楽しめる魅力的な観光地です。
名古屋からのアクセスも良く、訪日観光客にも人気となっています。

ミキモト真珠島

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ミキモト真珠島は、三重県鳥羽湾に浮かぶ真珠養殖発祥の地。
1893年に御木本幸吉が世界初の養殖真珠に成功し、1951年より観光地化。真珠博物館や御木本記念館、海女の実演が楽しめます。
また、全島が株式会社御木本真珠島が経営するレジャー施設となっています。

鳥羽水族館

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画像提供:(一社)弥彦観光協会

彌彦神社(やひこじんじゃ)は、新潟県弥彦村にある越後国一宮で、万葉の時代から信仰を集める格式高い神社です。商売繁盛や家内安全のご利益があり、彌彦山のふもとに鎮座し、自然に包まれた厳かな雰囲気も魅力です。

伊賀上野

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伊賀上野は、三重県北西部に位置する歴史と文化の町で、特に「伊賀流忍者」の里として世界的に知られています。
伊賀流忍者博物館では、忍者屋敷や実演ショーを通じて本物の忍術文化に触れることができ、訪日観光客にも大人気。城下町の風情や伊賀上野城、俳聖・松尾芭蕉ゆかりの地としても見どころが豊富です。

鈴鹿(鈴鹿サーキット)

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世界的に有名なF1日本グランプリの開催地で、モータースポーツファンにとっての聖地です。
海外からの来場者も多く、英語案内や多言語チケット対応も整備。レース観戦だけでなく、家族向けの遊園地やホテルも併設されており、幅広い層に人気です。

鬼ヶ城

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鬼ヶ城(おにがじょう)は、三重県熊野市にある国の名勝・天然記念物で、荒波と風が岩を削って生まれた奇岩群が約1.2kmにわたって続く絶景スポットです。鬼が住んでいたという伝説も残る神秘的な場所で、自然の力を感じられる海岸遊歩道は人気の観光ルート。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」にも含まれ、海外からの注目も高まりつつあります。

三重県を訪れる外国人観光客数(宿泊客数)
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ほとんどの都道府県で、2019年(コロナ前)と比べて増加しているのに対して、三重県は減少しています。
外国人宿泊者数の戻り率は、全国で最下位となりました。

三重県を訪れる外国人観光客 国籍別割合
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三重県を訪れる外国人観光客 消費額の割合
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外国人の行動ルート・特徴ほか

台湾人観光客
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基本データ
20192024
訪問率0.9%1.3%
1人1回あたり
消費単価
12,658円37,457円
平均泊数1.0泊1.1泊

※訪問率:訪日台湾人観光客の全体から、三重県を訪れた人の割合。
※1人1回あたり消費単価:訪日台湾人観光客1人あたりが三重県で消費した金額。
※平均泊数:訪日台湾人観光客が、三重県内で宿泊した日数。
観光庁「インバウンド消費動向調査」を参照。※訪問率の2024年は1-3月期のみ。観光・レジャー目的のみ。

観光ルート・特徴

台湾人観光客はリピーターが多く、中部エリアを広域的に巡る傾向があります。
名古屋から岐阜、立山黒部方面へ向かう途中で、ショッピング目的に三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島を訪れることが多いです。

また、伊勢神宮は根強い人気があり、参拝後に真珠島や英虞湾、鳥羽など伊勢志摩地域を周遊するケースも目立ちます。
近年はリピーター層を中心に、熊野古道や鬼ケ城といったスピリチュアル・ネイチャースポットにも関心が高まっており、訪問者が増加傾向にあります。

香港人観光客
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基本データ
20192024
訪問率1.1%1.7%
1人1回あたり
消費単価
39,270円69,978円
平均泊数1.3泊0.7泊

※訪問率:訪日香港人観光客の全体から、三重県を訪れた人の割合。
※1人1回あたり消費単価:訪日香港人観光客1人あたりが三重県で消費した金額。
※平均泊数:訪日香港人観光客が、三重県内で宿泊した日数。
観光庁「インバウンド消費動向調査」を参照。※訪問率の2024年は1-3月期のみ。観光・レジャー目的のみ。

観光ルート・特徴

香港人観光客は、中部国際空港を起点に岐阜(白川郷・高山)や立山黒部アルペンルート方面へ向かう広域周遊の中で、愛知や三重に立ち寄るケースが多く見られます。
伊勢神宮は特に人気が高く、あわせて真珠島や英虞湾、鳥羽などの伊勢志摩エリアも三重県内の訪問先として定着しています。
また、旅の後半には大阪方面へ抜けるルートをとる人も多く、観光地同士をつなぐ導線強化や周遊ルートづくりが今後の鍵となります。

韓国人観光客
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基本データ
20192024
訪問率0.2%0.1%
1人1回あたり
消費単価
8,722円31,968円
平均泊数0.7泊1.3泊

※訪問率:訪日韓国人観光客の全体から、三重県を訪れた人の割合。
※1人1回あたり消費単価:訪日韓国人観光客1人あたりが三重県で消費した金額。
※平均泊数:訪日韓国人観光客が、三重県内で宿泊した日数。
観光庁「インバウンド消費動向調査」を参照。※訪問率の2024年は1-3月期のみ。観光・レジャー目的のみ。

観光ルート・特徴

韓国人観光客は他国と比べて若年層の割合が高く、SNSでの情報収集や発信が旅の大きな要素となっています。
なかでも「おかげ横丁」はSNSでの話題性から訪問者が急増しています。
韓国人観光客の約9割が個人旅行(FIT)で訪れており、伊勢神宮を中心に、横山展望台からの英虞湾の絶景や、鳥羽、松阪、VISONといった周辺エリアを自分のペースでじっくり巡る傾向があります。

若年層の個人客が多い韓国市場へは、名古屋から近いという位置的な魅力や、若者目線でのSNS発信が鍵となります。

フィリピン人観光客
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20192024
訪問率0.6%1.6%
1人1回あたり
消費単価
9,258円34,810円
平均泊数4.8泊0.3泊

※訪問率:訪日フィリピン人観光客の全体から、三重県を訪れた人の割合。
※1人1回あたり消費単価:訪日フィリピン人観光客1人あたりが三重県で消費した金額。
※平均泊数:訪日フィリピン人観光客が、三重県内で宿泊した日数。
観光庁「インバウンド消費動向調査」を参照。※訪問率の2024年は1-3月期のみ。観光・レジャー目的のみ。

観光ルート・特徴

三重県は、フィリピン人観光客の訪問が多い地域としても知られています。
日本在住の家族や親戚を訪ねる「ビジット・フレンズ・アンド・レラティブズ(VFR)」の旅行スタイルが背景にあり、在住フィリピン人の多い東海地方を中心に訪れる傾向があります。
名古屋を拠点に、伊勢神宮や志摩、長島温泉など三重県内の観光地を巡るほか、冬季には雪を見に白川郷まで足を延ばす人も多く見られます。
団体旅行や企業インセンティブ旅行も徐々に増えており、今後のインバウンド市場において注目すべき層です。

タイ人観光客
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20192024
訪問率0.9%0.7%
1人1回あたり
消費単価
10,683円43,378円
平均泊数1.3泊1.0泊

※訪問率:訪日タイ人観光客の全体から、三重県を訪れた人の割合。
※1人1回あたり消費単価:訪日タイ人観光客1人あたりが三重県で消費した金額。
※平均泊数:訪日タイ人観光客が、三重県内で宿泊した日数。
観光庁「インバウンド消費動向調査」を参照。※訪問率の2024年は1-3月期のみ。観光・レジャー目的のみ。

観光ルート・特徴

タイ人観光客は、伊勢神宮や長島などの人気スポットを訪れることが多い一方で、旅行の範囲が広く、三重県内の滞在は比較的短めです。
東京・名古屋・岐阜や、大阪などと組み合わせた周遊型の旅行スタイルが一般的で、移動効率を重視する傾向があります。
そのため、三重県内の観光資源を効果的にルートに組み込む工夫や、SNSや現地ツアーを活用した回遊促進が今後の鍵となります。

課題

“名古屋のついで”からの脱却を――観光客数の少なさ

三重県は名古屋からのアクセスが良好でありながら、観光客数が他県と比べて少ないのが現状です。
特に伊勢神宮のような全国的な観光資源があるにもかかわらず、「遠い」「時間がかかる」との印象から敬遠されがちです。現在は、名古屋近郊の長島アウトレットなど“ついで立ち寄り”で終わるケースも多く、三重県内での滞在・周遊を促す工夫が必要です。
外国人が“わざわざ足を運びたくなる”魅力の伝え方とルートづくりが求められます。

点から面へ――周遊の魅力をどうつなぐか

三重県には伊勢志摩、熊野古道、鳥羽、松阪など世界に誇る観光地が点在していますが、それぞれが独立しており、周遊ルートとして結びついていないのが課題です。
公共交通機関の乗り継ぎがわかりにくく、レンタカー利用もハードルが高いため、訪日外国人が一つの観光地だけを見て帰ってしまうことが多いのが実情です。
魅力ある地域を“点”で終わらせず、“面”として繋ぐ仕組みの構築が必要です。

“泊まる三重”への転換を――宿泊地としての選ばれにくさ

三重県を訪れる観光客の多くが、隣接する名古屋や大阪で宿泊する傾向があります。
これは三重県内の宿泊施設情報の不足、魅力訴求の弱さ、交通の利便性などが影響しています。

せっかく三重に来ても“泊まらずに帰る”のは、大きな経済機会の損失です。
宿泊地としての魅力を再構築し、“泊まる価値のある三重”をいかに創り出すかが、今後の鍵を握ります。

これからの三重県のインバウンド市場は?

これからの三重県のインバウンドには、大きな可能性があります。伊勢神宮をはじめ、英虞湾の絶景、真珠やグルメ、熊野古道など、外国人に響くコンテンツが豊富にそろっているにもかかわらず、それらを有機的につなぎ、魅力を一体化して伝えられていないのが現状です。今後は、「三重ならでは」の体験や物語を観光客に届けることが重要です。

また、名古屋や関西との周遊ルートのなかで“三重に泊まる価値”を高める戦略も求められます。例えば、伊勢志摩でのリトリート体験や、美しい自然と文化を結ぶ着地型ツアーの造成、インフルエンサーを活用したSNS発信など、若年層やFIT(個人旅行者)を意識したマーケティングがカギとなります。

今後の三重県は、“通過点”ではなく、“目的地”として選ばれるために、地域の魅力を再編集し、強いストーリーで国内外に発信していくことが求められます。次の世代の観光地・三重へ、一歩踏み出す時が来ています。

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  • この記事を書いた人

上野 颯

観光イベントプランナー・添乗員

愛知県一宮市生まれ、岐阜市育ち
中学生で最年少の観光案内人としてデビュー。
旅行会社やIT企業での経験を経て、公立高校商業科(観光ビジネス)の講師や観光戦略の立案、ローカル鉄道の列車企画・バスツアーの企画など、多岐にわたる活動を展開しています。

「観光の未来をもっと、おもしろく」をテーマに、このサイトでは観光業界で働く皆さまに役立つ情報を発信しています。

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