人間にとって、衣食住は極めて重要な欲求です。
生命を維持するために、まずはこれらの欲求を満たそうとします。
私は、お腹が空くとイライラし始めて、集中力も激減します。
身体からの信号なんでしょうね。
とはいえ、現代の日本において衣食住に困るという状況は、基本的には起こりにくく、先進国の中でも非常に恵まれた環境にあります。
また、安全な国でもあり、「明日、命を落とすかもしれない」という危険を日頃から考えている人は少ないでしょう。
こうした生命の欲求が満たされると、人間は次に「心の欲求」を求めるようになります。
内閣府が実施している「国民生活に関する世論調査」では、その傾向がはっきりと表れています。
1974年には、
「レジャー・余暇生活よりも、食生活や住生活の方に力を入れたいよね!」
という人が多い状況でした。

しかし1984年には、
住生活に代わって、「食生活とレジャー・余暇生活に力を入れたいよね!」
という人が増え、

1994年には、
「住生活・食生活よりも、レジャー・余暇生活に力を入れたいよね!」
という人が増え、完全に「レジャー・余暇生活」を重視する人が多数派になりました。

そんな傾向は、しばらく続いていました。
ところが、2025年の「国民生活に関する世論調査」では、
「レジャー・余暇生活よりも、食生活に力を入れたいよね!」
という人が増え、流れが戻ってしまいました。

2025年では複数選択が可能になっているため直接比較はできませんが、生活面の比較は可能です。
この逆ルートを辿ると、この先、
「レジャー・余暇生活よりも、食生活と住生活に力を入れたいよね!」
という人も、さらに増えていくのでしょうか。
また、レジャー・余暇生活よりも、
「所得・収入、資産・貯蓄に力を入れたい!」
という人も多くなっています。
つまり今、
「旅に出かけるよりも、ご飯とお金の方が大切!」
という人が増えている、ということです。
将来...誤解を恐れずに表現するなら、生命活動そのものに対して、不安を感じ始めていることが分かります。
昨今の物価高で可処分所得が減少した今、旅行よりも食事やお金に意識が向くのは、仕方がないことかもしれません。
とはいえ、
「自由時間が増えた場合にしたいこと」では、ぶっちぎりの1位が〝旅行〟です。
なので、ガッカリする必要はありません。
ただ今の国内観光においては、「贅沢な旅」より「納得できる旅」、「今すぐ来て」より、「来られる時の第一候補」になるという待機の姿勢が大切なのかもしれません。
今すぐできるアクションプラン
- 旅行をしない理由は「嫌い」ではなく、お金・時間・失敗リスクへの不安が強い。例)雨天時の代替案や旅行費用の目安を表示する
- “贅沢”ではなく“納得消費”に変換する。例)子どもの記憶に残る2時間など。
- 節約=観光の敵、ではない。例)「3,000円で楽しむ、〇〇町」など、近郊圏を中心にお得に回れるプランを提示する
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『旅行より貯金と食費』を選ぶ人が急増している。
2026/1/21
人間にとって、衣食住は極めて重要な欲求です。生命を維持するために、まずはこれらの欲求を満たそうとします。 私は、お腹が空くとイライラし始めて、集中力も激減します。身体からの信号なんでしょうね。 とはい ...
