インバウンド

【データで見る】訪日オーストラリア人観光客の特徴を世界一分かりやすく解説!

2025年2月26日

※記事内に広告・PRを含む場合があります

新型コロナウイルス感染症が5類移行してから、訪日外国人観光客の数はコロナ前を大幅に超えました。
日本政府は2030年には6,000万人という目標を掲げており、成長産業としてインバウンドビジネスの注目度がますます高まっています。

そうした中で、重要なキーワードと考えられているのが「オーストラリア人観光客」です。
オーストラリアからの観光客は、訪日外国人旅行者の中でも1回の旅行での消費額が特に多く、また滞在期間も長いことから非常に重要な市場となっています。

そこで今回は、「オーストラリア人観光客の特徴」について、世界一分かりやすく解説していきます!
この記事だけ読めばOK!というくらいに網羅していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

日本に来ているオーストラリア人観光客の実態とは?

まずは、オーストラリア人観光客の訪日状況についてまとめてみます!

・訪日観光客数は90万人を超え、年々増加している。
・冬に訪れる観光客が多く、特に長野や北海道でのスキーが人気である。
・14日以上の長期滞在者が、60%以上となっている。
・1人あたりの消費単価が、訪日観光客国別で1位。
・個人旅行が約99%を占めている。
・自然環境への意識が高い。また、ウォーキングやハイキング、スキーなど屋外で活発に過ごすものが人気。

訪日観光客数

オーストラリアからの観光客は、2024年は約92万人となっており、年々増加傾向にあります。
月平均は、7万6千人で、12月・1月の冬シーズンが一番多くなっています。

これは、オーストラリアは南半球に位置しているため、季節が北半球と真逆だからです。
真夏には避暑のため北半球の冬を求めて日本を目指す人が多く、日本のスキー場やスキーリゾートはオーストラリア人で賑わっています。

冬はスキーなどのイメージがありますが、夏にはどんなアクティビティがあるか分からないという方も多いです。
逆にいえば、夏にはまだまだ伸び代があるということです。
ただし、夏の場合は、東南アジアなどのリゾート地が競合国となる点に注意して戦略を立てる必要があります。

滞在日数

滞在日数では、14日以上が半数以上を占めており、「長期滞在」をする方が多いです。
そのため、東京や大阪といった都市部に限らず、地方へも足を延ばす傾向があります。

オーストラリアでは、休暇が取得しやすいということもあり、訪日に限らず長期間旅行をします。
ゆっくり、じっくり日本を楽しむのがオーストラリア人の特徴といえます。

男女比・年齢比

男女比では、男性と女性がほぼ半々となっています。
年齢別では、20代〜30代の若年層が多いものの、60代や70歳以上も一定数おり、他の国と比較して幅広い世代が日本を訪れています。

来訪回数

オーストラリア人観光客の約半数が初訪問である一方、2回目の訪問者も23.4%と一定数存在します。
リピーターは増加傾向にあり、今後も増えていくことが期待されます。

1人あたりの旅行支出

オーストラリア人観光客の1人あたりの消費単価は、「386,866円」となっています。
この消費単価は、1人当たり旅行支出額全市場中第1位です。

その理由として、14日以上の長期滞在の影響が大きいと考えられています。
滞在期間が長さに伴って、宿泊、食、交通など旅行の主たる部分の消費が増加します。
また、オーストラリア人は価値のあるものに対して支出を厭わない傾向があることも影響していると思います。

同行者

オーストラリア人観光客は、夫婦・パートナーや家族などと旅行を楽しむことが多い傾向があります。

旅行形態

オーストラリア人観光客の旅行形態は、個人旅行が主流となっており、なんと約99%も占めています。
ただし、個人旅行であっても、旅行会社を通じて手配をする人が少なくないのが特徴です。

また、エクスペディア、ウェブジェットオーストラリア、ラグジュアリーエスケイプス、エアビーアンドビー、ブッキングドットコムなどのOTAを利用した旅行予約も増えてきています。

人気観光地

オーストラリア人観光客には、白馬やニセコなどのスノーリゾートが特に人気です。

オーストラリア人は幼少期から、ビーチや公園など屋外で過ごす機会が多いため、外国でも、ウォーキングやハイキング、バーベキューなど、屋外で活発に過ごす傾向があります。
上記の観光地の他にも、中山道や熊野古道を歩くウォーキングツアーの人気が高くなっています。

人気のお土産

オーストラリア人観光客の買い物における品目を見ると、食料品、衣類、菓子類が多くなっています。

日本酒や日本でしか売られていない菓子商品を土産にする方も多く、味覚的に多くのオーストラリア人に受け入れられています。
また、オーストラリア人観光客にに人気の日本土産として、日本の伝統・文化が感じられ、かつ旅行の思い出になるようなものがよく買われています。例えば、定番の着物・浴衣や、日本語が印刷されているT シャツ、日本の地名や「忍者」などの漢字が入ったものなどが人気です。

空港の利用数ランキング

オーストラリア人観光客は、成田国際空港・羽田空港・関西国際空港を多く利用しています。

日本に着いてからは、ジャパンレールパスを購入して、鉄道で日本国内を移動することが多いです。
オーストラリアでは日本同様、右ハンドルの左側走行なので、日本での運転には支障が少ないため、最近ではレンタカーの利用も少しずつ増えています。

オーストラリアでよく使われている検索エンジン

オーストラリアではGoogleが圧倒的なシェアを誇り、検索エンジンの主流です。一方、Bingも一定の利用者が存在し、特にMicrosoft製品のユーザーに浸透しています。
広告戦略ではGoogle中心が基本ですが、Bingも補完的に活用できます。

オーストラリアでよく使われているSNS

オーストラリアではFacebookとInstagramが主要SNSで、特にFacebookは幅広い世代に利用されています。TikTokも若年層に人気があります。
観光プロモーションでは、ビジュアル重視のInstagramや動画のTikTokが効果的です。

出発前の情報源ランキング

オーストラリア人観光客の旅行前の情報収集の主な情報源は、自国の親族・知人、動画サイト、SNS、口コミサイトとなっています。
口コミを重視するため、リピート率の向上には、観光客満足度が不可欠です。

オーストラリアの歴史・特徴

名称オーストラリア連邦/Commonwealth of Australia
人口約2,666万人
言語英語
日本との時差地域によって異なりますが、西部では日本より1時間遅れ、中央部では30分遅れ、東部では1時間進んでいます。
1人あたりのGDP約64,820.91米ドル(2023年)
訪日客数約92万人(2024年)
学校の長期休暇12月中旬から1月末までの約6週間の夏季休暇
訪日旅行のピーク12月(12万人)、1月(10万人)、10月(9万人)
フライト時間約7時間-10時間 ※地域により異なる
オーストラリアと日本の繋がり
※イメージ

オーストラリアと日本は、経済・観光・文化の面で強い結びつきを持つ重要なパートナーです。
経済面では、日本はオーストラリアの主要輸出国の一つであり、天然ガスや鉄鉱石、農産物の供給を受けています。
また、留学やワーキングホリデー制度を利用する若者も多く、人的交流が活発です。
スポーツの分野では、ラグビーを通じた国際交流が盛んであり、文化面でも日本食やアニメがオーストラリアで人気を集めています。

オーストラリア人観光客の特徴
※イメージ

オーストラリア人観光客は、快適な滞在環境と利便性を重視し、家族での旅行を楽しむ傾向があります。特に、Wi-Fi環境の未整備や有料利用には不満を持つため、無料で快適に利用できる環境の整備が求められます。また、和食が人気とはいえ、朝食にはパンやコーヒーなどの洋食を好み、付帯施設としてプールやジムの完備を望む声が多いです。特に高級ホテルでは、これらの施設が追加料金なしで利用できるようにしておくといいですね。

また、タトゥーに対する文化的な違いも考慮する必要があります。
オーストラリアではファッションの一環としてタトゥーを入れる人が多いため、日本の温泉施設では隠すシールの提供や特定の時間帯の利用許可が求められます。

オーストラリア人は、5人に1人はタトゥーを入れていると言われています。

また、環境保護意識が高く、地産地消の食事やエコへの配慮が評価されます。

訪日オーストラリア人の特徴を掴んでいこう!

オーストラリア人は日本への滞在が長い傾向があります。
こうしたことは、「地方」にも訪日オーストラリア人観光客がたくさん来てくれる可能性を示唆しています。

「外国人観光客は日本での”非日常”を楽しみに訪日する」
その”非日常”には、日本の伝統的な文化だけでなく、日本人にとって当たり前の生活文化も含まれています。

自分の地域に、オーストラリア人にとってどんな”非日常”があるのか。
例えば、四季の移ろいや温泉文化、地元特有のグルメや風景などがオーストラリア人にとって魅力的かどうかを考え、それが「行きたい!」と思わせる強い欲求を生み出すものか。

を見直すことが必要です。
そのためには、オーストラリア人観光客のニーズや特徴を正しく把握し、地域の魅力を効果的に伝えることが重要です。

当サイトでは、オーストラリア市場はもちろん、外国人観光客の気持ちをしっかり掴むための調査やインバウンドビジネスの参考となる情報を、今後も発信してまいります。

参照:観光庁「訪日外国人消費行動調査」

※観光ONEでは、情報の提供を目的としており、公平性を心がけて執筆しています。
特定の国、地域、組織、政策、または個人を擁護したり、批判したりする意図は一切ありません。
また、記事内容に誤りや著作権などの侵害がある場合は、速やかに対応いたしますので、お問い合わせよりご連絡ください。

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  • この記事を書いた人

上野 颯

添乗員・観光イベントプランナー

1998年 愛知県一宮市生まれ、岐阜市育ち
中学生で最年少の観光案内人としてデビュー。
旅行会社やIT企業での経験を経て、公立高校商業科(観光ビジネス)の講師や観光戦略の立案、ローカル鉄道の列車企画・バスツアーの企画など、多岐にわたる活動を展開しています。

「観光の未来をもっと、おもしろく」をテーマに、このサイトでは観光業界で働く皆さまに役立つ情報を発信しています。

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