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【データで見る】訪日タイ人観光客の特徴を世界一分かりやすく解説!

2024年12月11日

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新型コロナウイルス感染症が5類移行してから、訪日外国人観光客の数はコロナ前を大幅に超えました。
日本政府は2030年には6,000万人という目標を掲げており、成長産業としてインバウンドビジネスの注目度がますます高まっています。

そうした中で、重要なキーワードと考えられているのが「タイ人観光客」です。
タイからの観光客は、他国の観光客とは異なるニーズを持っており、その特徴を理解することが必要不可欠です。

そこで今回は、「タイ人観光客の特徴」について、世界一分かりやすく解説していきます!
この記事だけ読めばOK!というくらいに網羅していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

日本に来ているタイ人観光客の実態とは?

まずは、タイ人観光客の訪日状況についてまとめてみます!

・訪日観光客数では国別で5番目に多く、重要市場となっている。
・冬と夏の観光客数の差が大きい。(冬が人気である)
・短期滞在者(3日以内)はかなり少なく、4日〜6日間の滞在が64%と一番多い。
・女性が過半数を占めており、20代〜30代の若い世代が多いことが特徴である。
・1人あたり消費額は142,268円となっている。これはタイの物価を考慮すると大きい額で、支出を工夫しながら日本に来てくれていることが分かる。
・北海道や白川郷など、「雪」「冬」のイメージが強い観光地が人気である。
・買い物を楽しみに来る方も多く、日本製品への信頼が厚い。
・主要な検索エンジンやSNSなどは日本と大きく変わらない。

訪日観光客数

タイ人観光客数は、月平均8万人となっています。この数値は、世界全体で5番目の観光客数となっており、非常に重要な市場の1つです。

夏季と冬季で、観光客数の差が大きいことが大きな特徴といえます。

滞在日数

タイからの観光客は、3日以上の滞在が90%を超えています。
これには、主に2つの理由が考えられます。

1.フライト時間が長い
タイから日本へのフライトは約6~7時間かかるため、短期間の滞在では移動に対する負担が大きく、コストパフォーマンスが低いと感じる観光客が多いです。

2.ビザの条件や渡航準備
タイ人観光客が日本を訪れる際にはビザや準備が必要な場合があり、それに伴う手間や費用を考慮すると、より長期滞在の方が有意義だと判断されます。

男女比・年齢比

タイ人観光客の性別では、女性が65%を超えています。
年代別では、20代・30代が約半数を占めています。

タイの人口比を見ると、若干女性が多いものの、その比率はほぼ半々です。
なぜ「タイ人観光客には女性が多い」のでしょうか?

その理由は様々ありますが、「タイ国内での女性の経済的自立」は大きな要素だと考えています。

タイでは女性の社会進出が進み、労働参加率や教育水準の向上、政府やNGOの支援が女性の活躍を後押ししています。
中小企業や観光業でのリーダーシップや収入増加により、経済的自立が進展しており、家族の支えを受けながら仕事と家庭を両立する文化も定着しているのです。
また、ジェンダー平等の意識向上により、職場での管理職進出が増加しています。

こうした社会的背景と、日本の観光地や体験・日本製品が女性に人気という点が合わさって、女性の観光客が多くなっています。

来訪回数
1人あたりの旅行支出

訪日タイ人観光客の消費単価は、142,268円となっています。

タイと日本の金銭感覚を理解すると、タイ人観光客が支出面の工夫をして日本に来てくれていることが分かります。

東京での昼食は、1 人平均 1,000 円程度ですが、バンコクでは、冷房の効いた飲食店で食べるタイ料理の昼食が 100 バーツ~150 バーツ(約 350 円~ 530 円)ほどです。
一皿にご飯とおかず 2 種類を載せた簡易な昼食であれば、40 バーツ~ 60 バーツ(約 140 円~ 210 円)ほどで済みます。
もう少し分かりやすくタイ人の金銭感覚を表現すると、「1,000 バーツ札は日本の1万円札に相当」「日本での昼食1,000円は、タイでの2〜5回の昼食に相当」しています。

同行者
旅行形態

タイ人観光客の旅行形態は個人旅行が70.1%と主流ですが、団体旅行も30.9%を占めており一定の需要があることが特徴です。
個人旅行の増加は、自由度の高さやSNSを活用した情報収集の普及が要因です。
一方で、団体旅行は家族や友人との共有体験を重視する文化や、旅行手配の手間を省ける利便性から根強い人気があります。

人気観光地
人気のお土産

特に日本の菓子は高品質でバリエーションが豊富なため、友人や家族への贈り物として人気を集めています。
また、衣類やファッション雑貨も、日本独自のデザインやブランドがタイ国内では入手困難であるため高い需要があります。

タイ人観光客はショッピングニーズが高く、特に品質やユニークさを重視する傾向があります。

空港の利用数ランキング

タイ人観光客が新千歳空港を多く利用する理由は、北海道の観光地へのアクセスの良さと関係があります。
北海道は自然景観や温泉、スキーリゾートが豊富で、特にタイ人観光客に人気です。

また、札幌市を中心としたショッピングやグルメの魅力も大きく、タイからの直行便が新千歳空港に到着するため、利便性が高いことが理由です。

タイでよく使われている検索エンジン

タイ人観光客が利用する主要な検索エンジンは、GoogleとBingです。
特にGoogleは、タイ国内で圧倒的なシェアを誇り、観光地や旅行情報を検索する際に広く利用されています。
Bingはシェアは少ないものの、Microsoft製品を使うユーザーに一定の支持があります。

タイでよく使われているSNS

訪日タイ人観光客が利用する主要SNSはFacebook、LINE、TikTok、Instagramです。

Facebookはタイで最も利用者が多く、情報収集や交流に活用されています。
また、日常的な連絡手段としては、LINEが広く普及しています。

出発前の情報源ランキング

訪日タイ人観光客は、旅行前の情報収集で親戚や知人のアドバイスに加え、個人のブログや口コミを重視します。
特に口コミは実体験に基づく信頼性の高い情報源として、観光地や宿泊施設、グルメ選びに大きな影響を与えています。

タイの歴史・特徴

名称タイ王国/Kingdom of Thailand
人口7,180万人 (2023年)
言語タイ語
日本との時差-2時間
1人あたりのGDP7,171米ドル
訪日客数約131万8千人(第5位)
学校の長期休暇3月中旬〜約60日間の夏季休暇
10月初旬〜約15日間の中期休暇
訪日旅行のピーク3月(13万人)、4月(14万人)、10月(13万人)
フライト時間約6時間〜7時間程度
タイと日本の繋がり
(C)東映アニメーション 1975/東映アニメーション作品ラインナップより引用

タイと日本の関係は、歴史的に見ても深いつながりがあります。特に日本はタイと戦後、経済や文化交流を積極的に進めてきました。日本の技術やインフラ、教育システムはタイにも影響を与え、両国の友好関係が強化されました。日本の企業もタイに多く進出しており、観光業をはじめとしたビジネス面でも密接なつながりを持っています。

現在、訪日タイ人観光客は日本の観光地や文化に強い関心を持ち、特に温泉、食文化、ショッピング、自然景観などを楽しむために訪れることが多いです。
また、タイでは日本のアニメ(一休さんやドラえもんなど)やポップカルチャーの人気があったり、北海道や佐賀を舞台としたドラマや映画がヒットしたりと、エンターテイメントが日本に対する親近感を深めています。

タイ人観光客の特徴

訪日タイ人観光客の特徴として、暑い気候に慣れたタイ人は寒さに弱く、快適さを重視する傾向があります。
「マイペンラーイ」(気にしない、大丈夫)や「サバーイ」(快適だ)といった言葉に象徴されるように、旅行中もリラックスできる環境を求めます。

一方で、買い物時間が短い、食事場所が快適でないなど、快適さを損なう要素にはストレスを感じることがあります。
また、暑さを避けるために歩くことをあまり好まず、移動にはタクシーや公共交通機関を利用する傾向が強いです。

訪日観光では、快適な移動手段やくつろげる空間を提供することが重要です。

訪日タイ人の特徴を掴んでいこう!

タイ人は訪日のリピート率が高く、親日的な方が多いです。
こうしたことは、「地方」にも訪日タイ人観光客がたくさん来てくれる可能性を示唆しています。

「外国人観光客は日本での”非日常”を楽しみに訪日する」
その”非日常”には、日本の伝統的な文化だけでなく、日本人にとって当たり前の生活文化も含まれています。

自分の地域に、タイ人にとってどんな”非日常”があるのか。
例えば、四季の移ろいや温泉文化、地元特有のグルメや風景などがタイ人にとって魅力的かどうかを考え、それが「行きたい!」と思わせる強い欲求を生み出すものか。

を見直すことが必要です。
そのためには、タイ人観光客のニーズや特徴を正しく把握し、地域の魅力を効果的に伝えることが重要です。

当サイトでは、タイ市場はもちろん、外国人観光客の気持ちをしっかり掴むための調査やインバウンドビジネスの参考となる情報を、今後も発信してまいります。

※観光ONEでは、情報の提供を目的としており、公平性を心がけて執筆しています。
特定の国、組織、政策、または個人を擁護したり、批判したりする意図は一切ありません。
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  • この記事を書いた人

上野 颯

添乗員・観光イベントの企画者

1998年 愛知県一宮市生まれ、岐阜市育ち
中学生で最年少岐阜市まちなか案内人デビュー
2017年に地元の旅行会社に入社。
カリスマ添乗員・平田さんに学びながら、ツアーの企画・添乗に従事。
2019年には「添乗員上野と行くツアー」初企画
2020年に、コロナ禍で旅行予約が0になったことを機に、観光DXの重要性を感じ、IT技術を広く習得
2023年、株式会社aini-kuを設立。
公立高校 商業科(観光ビジネス)臨時講師、観光コンテンツの企画、バスツアーの企画などを行っています。

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