観光行政

【2025年最新】参議院選挙について世界一分かりやすく解説します。|観光業界への影響・政権交代の可能性も解説

2025年6月9日

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2025年7月、いよいよ参議院選挙が行われます。
しかし、「結局、参議院って何をするところ?」「衆議院との違いって?」「選挙が観光業にどう関係するの?」——そんな疑問を持つ事業者の方も多いのではないでしょうか。

観光業は、政治や経済の動きに大きく左右される業界です。政権交代の可能性や、観光政策の方向性によっては、現場の戦略も見直しが迫られるかもしれません。

そこで本記事では、参議院選挙の基本から、国民観光業界にどんな影響が及ぶのか、政権交代の可能性までを、世界一わかりやすく解説します。
観光業界の人も、そうでない人も、2025年の動向を見据えるための“選挙の教科書”として、ぜひお読みください。

そもそも参議院とは?衆議院との違いをカンタン解説

日本の国会は「衆議院」と「参議院」の“二院制”で成り立っています。どちらも法律をつくる役割を持ちますが、それぞれに特徴と違いがあります。

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衆議院はスピード重視で動く“即戦力”参議院はじっくり考えてブレーキをかける“見直し役”とイメージすると分かりやすいかもしれません。

前回の参議院選挙は「3年前」 任期は「6年」じゃないの?

参議院の任期は6年で、解散もありません。
でも、前回の選挙は2022年。なぜ3年でまた選挙が?

その理由は、参議院は3年ごとに半数ずつ改選される仕組みだからです。
一度に全員を選ぶのではなく、半分ずつ選び直すことで、民意を定期的に反映できるようになっています。

有名政治家は「衆議院」に多い 〜参議院との違いから見える“影響力の差”〜

しかし、ニュースやテレビでよく見かける有名政治家の多くは、「衆議院議員」であることをご存じでしょうか?
石破首相をはじめ、岸田文雄氏、菅義偉氏、安倍晋三氏など歴代の首相経験者のほとんどが衆議院出身です。
また立憲民主党の野田佳彦代表、維新の会の共同代表である前原誠司氏、国民民主党の玉木代表も衆議院議員です。

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イラスト提供:@ncopsi

これは、衆議院の方が圧倒的に政治的な影響力が強いためです。

■ 衆議院は「政権をつくる」場所

衆議院は、総理大臣を選ぶ「首相指名権」や、法律・予算の最終決定権を持つなど、政府の根幹を担っています。
さらに「解散」があるため、政権交代や政治の大きな転換点が起きやすいのも衆議院です。

そのため、より大きな影響を与えたい政治家、有名になりたい政治家は、まず衆議院を目指す傾向があります。

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つまり、参議院は「政策の見直し・ブレーキ役」であるのに対し、衆議院は“政権の心臓部”として機能しているのです。
そのため、観光政策や経済政策に影響を与える主な決定は、ほとんど衆議院で行われていると言っても過言ではありません。

 この優越的権限のことを「衆議院の優越」と呼ばれています。

であれば、参議院選挙はそこまで重要ではないのでしょうか??

参議院選挙で日本はどうなる?!

2025年の参議院選挙は、日本の政治の今後を左右する重要な節目となります。

参議員について知るためには、以下の2つをしっかり理解しておく必要があります。

1. なぜ一部の有名政治家は「衆議院」ではなく、「参議院」を選ぶのか?
2. 政権交代の可能性はどれほどあるのか?

政治の動きは経済や社会だけでなく、観光業界にも大きな影響を与えます。
この選挙の結果次第で、日本の未来と観光業界の環境は大きく変わるかもしれません。

ここからは、その全貌をわかりやすく解説し、あなたの事業戦略に役立つ情報をお届けします。

あの政治家は、なぜ「参議院」を選んだのか?

衆議院の方が政治的な影響力が強いことは、前述のとおりです。
しかし、あえて参議員を選ぶ政治家も多くいらっしゃいます。

公明党の山口那津男氏、NHK党の立花孝志氏、社民党の福島瑞穂氏、そしてれいわ新選組の山本太郎氏――
彼らが参議院議員として活動する理由には、政治戦略や選挙制度の特徴が大きく関係しています。

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小規模政党や個人政治家にとって、参議院は「安定した任期」と「当選しやすい仕組み」が魅力的。
それが、彼らが参議院を選ぶ背景にあるのです。

これが「参議員」の魅力なのだ!!
1.衆議院より当選しやすい仕組みがある

衆議院は選挙区の数も少なく、1つの選挙区から1名しか当選しない「小選挙区制」が基本。
大政党が有利な構造です。
一方、参議院は「比例代表制」や「複数人区」があるため、一定数の支持があれば小規模政党でも議席を取りやすいのが特徴です。

2.任期が6年と長く、腰を据えて活動できる

衆議院は解散があるため、実質2〜3年で選挙になることも。
一方、参議院は解散がないため、6年間は任期が保証されます。

3.政策テーマを絞った候補者が出やすい

参議院選挙は、衆議院よりもテーマ性の強い候補者が多く出馬する傾向にあります。
たとえば「教育の充実」「医療制度改革」「地域観光の強化」など、特定の政策を掲げて当選を目指す人たちです。

4.メディア露出や政策発信の場にもなる

小政党が1議席でも獲得すれば、テレビ討論や国会質疑での発言の機会が得られます。
それにより、これまで注目されていなかった問題(例:地方路線の維持、観光地の過疎化など)も社会的な議題に上がることがあります。

政権交代の可能性は?

2025年7月に行われる参議院選挙。
多くの方が気になっているのは、やはり「政権交代の可能性はあるのか?」という点ではないでしょうか。
政権交代は、政治の動きに大きな影響を与えるため、とても大切なテーマになります。

特に観光業など、政策の影響を受けやすい業界では、どの政党が政権を担っているかは非常に重要です。

【解説】政権交代とは?

政権交代とは、「内閣を組織する政党(与党)」が変わることを意味します。
現在の政権は自民党中心の連立与党(自民党+公明党)です。
この構図が変わるには、衆議院で野党が多数を取る必要があります。

現在の衆議院の構成 ※2025年時点
全465議席
•   自民党:約191議席
•   公明党:約24議席
•   立憲民主党:約148議席
•   その他:日本維新の会、共産党、国民民主党など
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現時点では、自民・公明(公明党は自民党と連立政権)が安定多数を保っており、政権は安定しています。

【補足】衆議院が解散となった場合には、政権交代の可能性もある。

今、ニュースでよく話題になる「内閣不信任決議」についても知っておきましょう。

参議院選挙そのものでは政権交代は起きませんが、選挙結果や支持率の低下によって、首相が衆議院を解散し、総選挙を行う可能性があります。
また、衆議院の解散と同時に参議院選挙を行う「衆参同時選挙」が実施される可能性もゼロではありません。
衆参同時選挙が行われれば、一気に政治の勢力図が変わる大きな転機となります。

もし総選挙で野党が多数を獲得すれば、政権交代も十分にあり得ます。
そのため、参議院選挙の結果は直接的に政権交代につながらなくても、今後の政治の流れに大きく影響を与える重要な意味を持っているのです。

【コラム】ねじれ国会とは?

例えば、衆議院では自民党が多数なのに、参議院では立憲民主党などの野党が多数になった場合は、「ねじれ国会」と呼ばれます。

このような状況では、法案の成立に時間がかかったり、予算の審議が難航するなど、政治の停滞を招く可能性があります。
観光業界にとっても、観光関連予算の執行が遅れたり、新しい制度や支援策の導入が先送りになるなどの影響が懸念されます。
一方で、与党一強の状況では見過ごされがちな意見や代替案が、野党側からしっかりと示されることで、より多様な観点からの政策議論が進むというメリットもあります。

【超入門】参議院選挙の方法をわかりやすく解説!

「参議院選挙って、どうやって投票するの?」
ここでは、選挙の基本から流れまでを簡単に説明します!

選挙区選挙

投票する相手: あなたの住んでいる地域(基本は都道府県単位)で立候補している「人」
投票用紙: 立候補者の「名前」を書く
仕組み: 全国の選挙区から合計74人の議員を選出
定数: 地域の人口によって異なり、最多は東京都の「6人」(3年ごとに半数=3人ずつ改選)

比例代表選挙(50人を選ぶ)

投票する相手: 全国区で活動する「政党」または「候補者(個人)」
投票用紙: 「政党名」または「候補者名(個人名)」を書く
仕組み: 全国単位の選挙で、各政党の得票数に応じて議席数が決まる
別名: 「全国比例」とも呼ばれる

選挙区では地元の候補者、比例代表では全国レベルの政策や政党に注目して選びましょう。

観光業が受ける影響とは?

一見すると、政治や選挙と観光業は無関係に見えるかもしれません。ですが、実は参議院選挙の結果は、観光業にも少なからず影響を与える可能性があります。

例えば、観光振興に関する予算や政策は、国の方針によって大きく左右されます。観光庁の予算が拡充されれば、インバウンド支援や地域観光の整備などが進みますが、逆に予算が削減されれば、自治体や事業者の取り組みにも影響が出ます。
また、選挙の結果によって「ねじれ国会」が生じた場合、法案の成立や予算審議が滞ることもあります。その結果、観光支援策の実施が遅れたり、新たな制度導入が見送られたりするリスクもあります。

さらに、観光と関わりの深い分野(交通インフラ・ビザ緩和・地方創生など)に対する国の姿勢も、政党ごとに異なります。つまり、どの政党が力を持つかによって、観光業の未来にも影響があるのです。

だからこそ、観光に関わる私たちも、政治や選挙を“自分ごと”として考えることが大切です。

ここまで読んでくださった方へ。

この記事を最後まで読んでくださった皆さまは、きっと政治に関心がある方か、観光事業に真剣に取り組む方だと思います。
私は特定の政党を応援したり、推薦したりするつもりはありません。

ただ、ひとつだけお願いがあります。
どうか、自分の頭で考え、納得できる政党に投票してください。まずは、政治に参加することが大切です。

日本の未来を明るくするために。そして、日本の観光産業がさらに発展するために。
一人ひとりができることから、少しずつ動き出しましょう。

※観光ONEでは、情報の提供を目的としており、公平性を心がけて執筆しています。
特定の国、地域、組織、政策、または個人を擁護したり、批判したりする意図は一切ありません。
また、記事内容に誤りや著作権などの侵害がある場合は、速やかに対応いたしますので、お問い合わせよりご連絡ください。

  • この記事を書いた人

上野 颯

観光イベントプランナー・添乗員

愛知県一宮市生まれ、岐阜市育ち
中学生で最年少の観光案内人としてデビュー。
旅行会社やIT企業での経験を経て、公立高校商業科(観光ビジネス)の講師や観光戦略の立案、ローカル鉄道の列車企画・バスツアーの企画など、多岐にわたる活動を展開しています。

「観光の未来をもっと、おもしろく」をテーマに、このサイトでは観光業界で働く皆さまに役立つ情報を発信しています。

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