新型コロナウイルス感染症が5類移行してから、訪日外国人観光客の数はコロナ前を大幅に超えました。
日本政府は2030年には6,000万人という目標を掲げており、成長産業としてインバウンドビジネスの注目度がますます高まっています。
そうした中で、重要なキーワードと考えられているのが「香港人観光客」です。
香港人観光客はFIT(個人旅行)化が進んでおり、ニーズも多様化しており、特徴を知っておくことは必要不可欠です。
そこで今回は、「香港人観光客の特徴」について、世界一分かりやすく解説していきます!
この記事だけ読めばOK!というくらいに網羅していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
データだけでは分からない香港人観光客の特徴も解説いたします!
日本に来ている香港人観光客の実態とは?
まずは、香港人観光客の訪日状況についてまとめてみます!
【押さえておきたいポイント】
・自由なライフスタイルを求めるため、FIT(個人旅行)の市場が成熟している
・ストレスの多い日常を離れて、旅に癒やしを求める
・日本は安心して快適な旅行が楽しめるという、ポジティブなイメージが浸透している
・リピート率が高いため、行ったことのない地方、したことのない経験を求める
・航空便の新規就航、増便も続いており、訪日客の増加を後押ししている
・宿泊先としては、九州・沖縄が増加し、西高東低がますます顕著になっている
・煩わしい都会ではなく、静かな地方都市や日本の原風景が見られる地域を求める人々が増えてきている
・情報感度が高いため、最新の情報を詳しく発信することが求められている
・レンタカーを利用する人が多い
中国とは全く異なる文化・習慣・感性があることは理解する必要があります
訪日観光客数
香港は、韓国や中国、台湾に次ぐ訪日客数を誇っており、最新のデータをみても順調に増加傾向にあります。
これには、香港~成田間の増便、香港~高松間の路線増便など、日本への直行便数は前年同月を上回っていることも影響していると考えられています。
滞在日数
香港人観光客は、訪日外国人全体と比較しても「滞在期間が長い」傾向があります。
その背景には香港の職場の有給取得に対するハードルの低さも関係しています。
休暇の最終日より1日前に香港へ戻って旅行で疲れた身体をしっかり休めてから出勤するなど、せっかちな印象がある香港人ですが、旅はゆったりしたいと考える人が多いようです。
男女比・年齢比
香港人観光客の男女比では、女性が50.3%、男性が49.7%となっています。
年齢比では、訪日外国人全体と等しく、20歳〜49歳が大部分を占めています。
来訪回数
訪日香港人の訪日回数を見ると、1回目の訪問がわずか7.3%であることから、多くの香港人がリピーターであることが分かります。
これは、香港人が日本を非常に魅力的で安心して旅行できる場所と認識していることを示しています。
比較として、韓国、台湾、中国の訪日回数を考えると、韓国や台湾もリピーター率が高い傾向がありますが、香港は特に高いリピーター率を示しています。台湾人の初訪問率は約10%、韓国人の初訪問率は25%、中国人は約35%とされています。
香港人の初訪問率の低さは、日本への旅行が一般的であり、何度も訪れる価値があると感じられている証拠です。
1人あたりの旅行支出
香港人観光客の日本滞在中の消費単価は、1人あたり「250,322円」でした。
リピート率が高いだけでなく、滞在期間も長いため、香港人観光客のLTV(顧客生涯価値)は非常に高くなっています。
同行者
香港人観光客の同行者は、家族連れが38.2%、パートナー・夫婦が23.4%、友人が20.2%と、多くが親しい人と旅行を楽しむ傾向が強いことが分かります。
これは、香港人が家族や親しい関係を重視し、共に新しい体験を共有したいと考える傾向が強いことを示しています。
また、リピート率の高さから、彼らが日本を家族や友人と安心して楽しめる魅力的な旅行先と認識していることがうかがえます。
旅行形態
香港人観光客の旅行形態は、個人手配が約90%を占めており、ほとんどが個人旅行者あることが分かります。
個人旅行向けパッケージ商品も合わせると、個人旅行者が全体の95%となっています。
人気お土産
訪日香港人の人気のお土産・買い物ランキングは、1位が菓子類、2位が衣類、3位が化粧品・香水です。
香港人は日本の高品質で多様な菓子を好むほか、日本のファッションや最新の化粧品、香水にも強い関心を持っています。
特に、品質とデザインの良さを重視する傾向があり、実用的でありながらもトレンドに敏感な香港人の消費スタイルが反映されています。
空港の利用数ランキング
訪日香港人の利用空港ランキングで1位の関西国際空港は、大阪や京都など関西地方の観光地へのアクセスが良いため人気です。
2位の成田国際空港と3位の羽田空港は、東京を中心とした関東地方への利便性が高いことから選ばれています。
香港でよく使われている検索エンジン
香港ではGoogleとYahooが主要な検索エンジンです。
Googleは高い検索精度と使いやすさで圧倒的なシェアを持ち、ヤフー香港はニュースやショッピングなど多彩なサービスで人気を集めています。
香港でよく使われているSNS
WhatsAppは主にメッセージングアプリとして、日常的なコミュニケーションに欠かせません。
WeChatは中国本土との連絡手段として人気があり、メッセージングだけでなく、決済機能やニュース配信も利用されています。
これらのSNSは、香港人の情報共有やコミュニケーションの中心となっています。
出発前の情報源ランキング
訪日香港人観光客の出発前の情報源として、JNTOのサイト、個人ブログ、旅行専門誌が上位を占めています。
これから読み取れるのは、香港人が信頼性と正確さを求めつつ、リアルな体験談や専門的なガイド情報も重視する傾向があることです。
公的機関の情報を基盤にしつつ、他人の具体的な体験や専門的なアドバイスを組み合わせることで、バランスの取れた情報収集を行っています。
この多角的な情報収集方法は、計画的で効率を重んじる香港人の性格を反映しています。
香港の歴史・特徴
名称 | 香港/Hong Kong |
人口 | 734万 (2022年) |
言語 | 中国語(繁体字)ほか |
日本との時差 | -1時間 |
1人あたりのGDP | 4万3,528米ドル |
訪日客数 | 183万9,000人(第4位) |
学校の長期休暇 | 1月下旬〜2月中旬の旧正月に約10日間の休暇 3月下旬〜4月中旬のイースターに約10日間の休暇 7月中旬から約50日間の夏季休暇 12月22日頃から約10日間のクリスマス休暇 |
訪日旅行のピーク | 12月(19万人)、7月(18.5万人)、6月(16.3万人) |
フライト時間 | 4時間程度 |
香港の歴史と日本
香港の歴史は、イギリス植民地時代と中国への返還が大きな特徴です。1842年、アヘン戦争の結果、香港島がイギリスに割譲され、その後の1898年には新界も租借されました。この時期に香港は急速に発展し、国際的な貿易拠点となりました。1997年、香港は「一国二制度」の下、中国に返還されましたが、特別行政区としての高度な自治が認められました。
訪日香港人の観点から見ると、香港は西洋と東洋の文化が融合した独特の背景を持っています。多くの香港人は教育水準が高く、英語も流暢であり、旅行先として日本を選ぶ際にも情報収集やコミュニケーションに困りません。香港は近隣である日本との観光やビジネスの交流が盛んで、日本の文化や観光地に強い興味を持っています。
香港人の日本へのイメージは非常に良好で、清潔さ、安全性、高品質な商品やサービスが評価されています。特に、日本の食文化やショッピング、温泉、歴史的建造物などに魅了されています。
香港人はせっかちで効率を重んじる人が多く、公共交通機関の時間厳守やサービスのスムーズさを特に高く評価します。
また、香港人は美食家が多く、日本料理の繊細さや多様性を楽しんでいます。
こうした背景から、香港人は頻繁に日本を訪れ、リピーターも多いです。
歴史的なつながりと現代の友好関係が、訪日香港人の旅行スタイルや目的に大きく影響を与えています。
訪日香港人の特徴
訪日香港人の特徴を見ると、個人旅行が90%以上を占めることが顕著です。
これは香港人が自立心が強く、自分のペースで旅を楽しみたいと考える傾向があるためです。
香港人はせっかちで効率を重んじる性格を持つ人が多いため、時間を有効に使うことを重視します。
ポジティブな面としては、香港人は好奇心旺盛で新しい体験を積極的に求め、特に美食家が多いため日本料理を楽しむ傾向があります。
一方、せっかちな性格ゆえに、旅行中の待ち時間やサービスの遅れに対してストレスを感じることもあります。
訪日香港人のニーズを掴んでいこう!
香港人は訪日へのリピート率が高く、滞在期間も長いことが特徴です。
したことのない経験を求める傾向があり、「地方」に対しても訪日香港人がたくさん来てくれる可能性を示唆しています。
「外国人は”非日常”を楽しみに訪日する」
その”非日常”には、日本の伝統的な文化だけでなく、日本人には当たり前の文化も含まれています。
自分の地域に、外国人にとってどんな”非日常”があるのか。
それが、「行きたい!」と思うほど強い欲求を生み出すものか。
を考えていく必要があります。
そのためには、ターゲットとなる人のニーズや特徴を正しく把握することが必要です。
当サイトでは、外国人観光客の気持ちをしっかり掴むインバウンドビジネスの参考になる様々な調査を、今後も行ってまいります。