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【データで見る】訪日シンガポール人観光客の特徴を世界一分かりやすく解説!

2024年12月13日

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2024年10月の訪日外国人旅行者数(推計値)は2019年比32.7%増の331万2000人となり、単月での過去最高を更新しました。
新型コロナウイルス感染症が5類に移行して以降、インバウンド市場はコロナ前を上回る勢いで急成長しています。

近年特に増加しているのが、「シンガポール市場」です。
シンガポールは人口が年々増加しており、一人当たりGDPは日本を上回っています。
今後も経済成長が期待されるシンガポールからの観光客の特徴を知ることは必要不可欠です。

そこで今回は、「シンガポール人観光客の特徴」について、世界一分かりやすく解説していきます。
この記事だけ読めばOK!というくらいに網羅していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

日本に来ているシンガポール人観光客の実態とは?

まずは、シンガポール人観光客の特徴をまとめてみました!

・シンガポール人観光客は、月平均で4万6千人が訪れている。(国別ランキング第9位)
・一週間以上の滞在が約80%を占める
・女性の割合が多い
・若い世代が多いが、40代・50代も多いため、幅広い年代へのアプローチが必要
・1人あたりの消費額が大きい
・個人旅行(FIT)が約98%を占める
・検索エンジンはGoogleが主流

訪日観光客数

シンガポールからのインバウンドは、月に平均4万6千人が訪れています。
グラフを見てもわかるように、7月〜9月の夏季は極端に少ないことが特徴です。

滞在日数

シンガポールからのインバウンドの滞在日数では、80%近くが7日以上滞在していることから、日本旅行では長期滞在を計画する傾向が見られます。

男女比・年齢比

シンガポール人観光客は女性が多く(57.6%)、20~29歳が21.6%と若年層の割合が目立つ一方で、40代や50代の層も多いことが特徴です。

ちなみに、シンガポールの人口での男女比は、男性が48.9%、女性が51.1%で、ほぼ均衡しています。
男女の平等が重視されており、女性の社会進出やキャリア形成が積極的に支援されています。

シンガポールは、幅広い年代が日本を訪れているため、
若い女性向けのトレンドスポットやSNS映えする体験だけでなく、さらに成熟した世代に向けた高品質なサービスや文化体験など、幅広いニーズに応えられる観光プランが必要です。

来訪回数

シンガポール人観光客の約85%は、リピーターです。

特に地方観光や深い文化体験への関心が高く、一度訪れた場所でも異なる季節や新たな体験を求めて再訪する傾向が強いと考えられます。
この特徴を活かし、地域独自の文化や自然、季節ごとの魅力を伝えることで、さらなる訪問意欲を高めることができます。

1人あたりの旅行支出

シンガポール人観光客は、1回の旅行で一人あたり283,879円を消費しています。
シンガポール人観光客の1人あたりの消費額が高い理由として、シンガポールの高い生活水準や物価水準が影響していると考えられます。また、日本の魅力的な観光体験や高品質な商品・サービスに対する需要が高く、特にショッピングやグルメ、観光施設への支出が多いことが要因です。

ちなみに、2023年の平均年収は約7万シンガポールドル(約560万円)で、日本の平均年収と比較すると高い水準となっています。

同行者
旅行形態

シンガポール人観光客の95.5%は個人旅行(FIT)となっています。
自分のペースで観光を楽しみたいという傾向が強く、個別のニーズに応じた柔軟な旅行プランや、観光地情報を自ら探せる便利なツールが求められています。
観光事業者は、カスタマイズ可能な体験型プランや簡単にアクセス可能な予約システムを提供することで、シンガポール人観光客の需要をさらに取り込むことができるでしょう。

人気観光地

シンガポール人観光客に人気の観光地トップ5(東京、千葉、大阪、京都、山梨)は、比較的外国人観光客に人気の定番地といえます。

シンガポール人観光客にはリピーターが多いことから、既存の人気地に加え、地方観光地への関心が今後高まる可能性があります。
地方の独自文化や自然を活かした体験型観光が、新たな需要を生む鍵となるでしょう。

人気のお土産
空港の利用数ランキング
シンガポールでよく使われている検索エンジン

シンガポールでは、Googleが圧倒的に主流の検索エンジンで、市場シェアの大部分を占めています。
英語が公用語の一つであり、インターネット普及率が高いことから、検索トレンドはグローバルな傾向を持ちます。

一方で、中国系住民が多いことから、特定の分野ではBaiduなど中国系の検索エンジンも一部利用されています。
特に旅行関連の情報や口コミ検索においては、Googleだけでなく、TripAdvisorやBooking.comといったプラットフォームも重要な役割を果たしています。

シンガポールでよく使われているSNS
出発前の情報源ランキング

シンガポールの歴史・特徴

名称シンガポール共和国/Republic of Singapore
人口591.8万人 (2023年)
言語マレー語、英語、中国語(簡体字)、タミール語
日本との時差-1時間
1人あたりのGDP84,734米ドル
訪日客数約59万1千人(第9位)
学校の長期休暇3月中旬〜約9日間の1学期休暇
5月下旬〜約30日間の2学期休暇
9月上旬〜約9日間の3学期休暇
11月中旬〜約43日間の4学期休暇
訪日旅行のピーク12月(11万人)、11月(9万人)、10月(7万人)
フライト時間約7時間〜8時間程度
シンガポールと日本の繋がり

シンガポールと日本の繋がりは、歴史的・経済的・文化的に深く、知られざる側面も多くあります。

戦前、シンガポールには日本人街「日本村」が形成され、貿易や教育活動が行われていました。
また、シンガポールは日本軍のアジア戦略の拠点ともなり、戦後の平和条約締結を通じて関係は再構築されました。
現代では、シンガポール人観光客は訪日旅行の中で地方都市や「和」の文化体験を重視する傾向があり、日本側の地域創生と結びついています。
さらに、両国間での教育交流も進んでおり、シンガポールの多言語教育や効率的な都市政策は、日本の行政や観光業界が参考にしています。

観光業界としては特定地域の文化や歴史を掘り下げた独自性あるツアーの提案が、シンガポール人観光客に強く訴求すると思われます。

シンガポール人観光客の特徴

シンガポール人観光客は、効率的で質の高い旅行体験を重視し、計画性の高い傾向があります。
特に日本では、都市部だけでなく地方観光への関心も高まり、温泉や自然、美食を堪能する旅行が人気です。

訪日旅行においては、家族旅行や友人とのグループ旅行が多く、SNS映えするスポットやアクティビティが選ばれる傾向にあります。
さらに、シンガポール人は日本のサービス品質に期待しており、英語対応の案内やキャッシュレス決済など、利便性の高い環境が評価されます。

訪日シンガポール人の特徴を掴んでいこう!

シンガポール人観光客は訪日旅行で高いリピート率を誇り、親日的な傾向があります。
こうした特徴は、都市部だけでなく地方にもシンガポール人観光客が訪れる可能性を示唆しています。

「外国人観光客は日本での”非日常”を楽しみに訪日する」
その”非日常”には、日本の伝統的な文化だけでなく、日本人が日々当たり前と感じる生活文化も含まれています。

自分の地域に、シンガポール人にとってどんな”非日常”があるのかを考えてみましょう。
例えば、四季の美しい移ろいや温泉文化、地元特有のグルメや風景、さらには快適で効率的な交通体験など、シンガポール人にとって魅力的なポイントが何か。
それが「行きたい!」と思わせる強い欲求につながるかを見直すことが重要です。
そのためには、シンガポール人観光客のニーズや特徴を正しく理解し、地域の魅力を効果的に伝える工夫が求められます。

当サイトでは、シンガポール市場をはじめ、外国人観光客の心を掴むための調査やインバウンドビジネスに役立つ情報を、引き続き発信してまいります!

※観光ONEでは、情報の提供を目的としており、公平性を心がけて執筆しています。
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  • この記事を書いた人

上野 颯

添乗員・観光イベントの企画者

1998年 愛知県一宮市生まれ、岐阜市育ち
中学生で最年少岐阜市まちなか案内人デビュー
2017年に地元の旅行会社に入社。
カリスマ添乗員・平田さんに学びながら、ツアーの企画・添乗に従事。
2019年には「添乗員上野と行くツアー」初企画
2020年に、コロナ禍で旅行予約が0になったことを機に、観光DXの重要性を感じ、IT技術を広く習得
2023年、株式会社aini-kuを設立。
公立高校 商業科(観光ビジネス)臨時講師、観光コンテンツの企画、バスツアーの企画などを行っています。

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