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【データで見る】訪日台湾人観光客の特徴を世界一分かりやすく解説!

2024年5月27日

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新型コロナウイルス感染症が5類移行してから、訪日外国人観光客の数はコロナ前を大幅に超えました。
日本政府は2030年には6,000万人という目標を掲げており、成長産業としてインバウンドビジネスの注目度がますます高まっています。

そうした中で、重要なキーワードと考えられているのが「台湾人観光客」です。
台湾からの観光客が最も多いという観光地もあり、台湾人観光客の特徴を知ることは必要不可欠です。

そこで今回は、「台湾人観光客の特徴」について、世界一分かりやすく解説していきます!
この記事だけ読めばOK!というくらいに網羅していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

データだけでは分からない台湾人観光客の特徴も解説いたします!

日本に来ている台湾人観光客の実態とは?

まずは、台湾人観光客の訪日状況についてまとめてみます!

【押さえておきたいポイント】
・訪日リピーターが多く、台湾人観光客の90%以上が2回目以上の訪日経験がある。
・長期休暇の期間だけでなく、桜や紅葉の季節にも訪日客が伸びている
・日本で買い物をしたいという意欲が強い
・急速にFIT(個人旅行化)が進み、オンラインでの旅行手配が多い
・しかし、他の国に比べるとまだ団体ツアー客も多い
・人口の65%以上がSNSを利用し、旅行中のSNS発信も多い

地方への訪問は重点市場20で最も多く、地方にも誘客の可能性があります!

訪日観光客数
滞在日数

参照:観光庁「訪日外国人消費行動調査」

台湾人観光客の滞在日数は、「4〜6日」が最も多く、次いで「7〜13日」となっています。

男女比・年齢比

参照:観光庁「訪日外国人消費行動調査」

性別をみると、やや女性の方が多いようです。
しかし、台湾の人口の男女の割合が、男性は全人口の49.5%、女性は50.5%を占めていることを考えると、深く考える必要はないかと思います。

参照:観光庁「訪日外国人消費行動調査」

年齢に関しても、海外旅行に活発な年代が多く、他の国と比較して大きく差はありません。

しかし、今後台湾も超高齢化社会に突入すると推測されています。
老年人口の割合(65歳以上の人口の割合)は、2025年に20.0%、2070年に43.7%を達する見込みです。
(ちなみに、日本の老年人口の割合は、2025年に30%を超える見込み)

こうした人口統計を考慮すると、台湾からの観光客数は少しずつ減少していく可能性があります。

来訪回数

参照:観光庁「訪日外国人消費行動調査」

訪日外国人全体と比較すると、台湾人観光客はリピート率が高いことが分かります。

訪日外国人全体では、31.3%が初めて日本を訪れており、2回目訪問客が17.4%、3回目以上が51%となっています。
対して訪日台湾観光客では、9.6%が初めて日本を訪れており、2回目訪問客が13.5%、3回目以上が77%となっています。
実に、90%以上がリピーターであることが分かります。

リピートする外国人は、日本の定番観光地以外にも地方へ訪れたりする機会が増えてきます。
また、魅力的な観光地であれば再度訪問してくれたり、友達や家族などにオススメしてくれることもあるでしょう。
そうしたことを考慮すると、台湾人観光客の満足度を高め、シェアしてもらう仕掛けは必須です。

リピート客や紹介客の獲得が出来れば、観光消費を増やすことに繋がります。

1人あたりの旅行支出

参照:観光庁「訪日外国人消費行動調査」

台湾人観光客の国内での消費額は、173,512円です。
単純な比較は出来ませんが、香港からの観光客よりも低く、韓国からの観光客よりも高い金額となります。
また、米国やフランスなどは、台湾人の倍ちかくの国内消費額があります。

前述のとおり、台湾かからの観光客はリピート率が高いため、1回あたりの消費額に縛られず、LTV(顧客生涯価値)で考えてみるのもいいでしょう。

同行者

台湾人訪日観光客の同行者は、家族が52.3%と最も多く、次いで友人16.2%、パートナー16.1%です。
このデータは、台湾人が家族との絆を重視する傾向を示しています。

旅行形態

台湾人観光客の旅行形態を見ると、個人手配が69.0%と高く、団体ツアーは24.8%にとどまっています。
これは、訪日外国人全体の個人手配率82.9%と比べるとやや低いものの、台湾人観光客のFIT(個人旅行)が急速に進んでいることを示しています。

今後も台湾人観光客のFIT化が進むと予想され、観光業界の対応が求められます。

人気観光地

訪日外国人観光客全体の人気観光地と比較すると、立山黒部アルペンルートや銀山温泉などがかなり上位に来ていることが特徴といえます。

立山黒部アルペンルート(富山県)は、台湾人の認知度が高く、なかでも「雪の大谷」は特に人気になっています。

銀山温泉(山形県)は『千と千尋の神隠し』の世界観に似ており、台湾でも有名な『おしん』の撮影地であることから、台湾人注目の温泉地となっています。

人気のお土産

訪日台湾人観光客のお土産・買い物ランキングを見ると、1位は菓子類、2位は医薬品、3位は衣類です。

台湾人は親日的で、日本の高品質な商品に強い興味を持っています。
日本の菓子類は多様で美味しく、パッケージも魅力的なため人気です。
医薬品は信頼性が高く、台湾では手に入らない製品が多いため重宝されています。
衣類は日本のファッションセンスや品質が評価されています。

これらの購買傾向は、台湾人の実用性を重視しつつ、質の高いものを求める文化を反映しています。

空港の利用数ランキング

成田国際空港や関西国際空港の利用が多いのは、訪日外国人観光客全体と同じです。

しかし、那覇空港は20.9%と、訪日外国人全体の8.3%と比較すると高いようです。
那覇空港には、台湾からの直行便以外にもアシアナ航空や大韓航空などの韓国大手航空会社なども乗り入れていますが、韓国からの観光客に利用率は9%と少ない状況です。

那覇空港は、台湾人観光客の出国も同じく多いことから、台湾人にとって沖縄が人気の高い観光地であるといえます。

台湾でよく使われている検索エンジン

台湾ではGoogleとYahooが主要な検索エンジンです。
Googleは高い検索精度と使いやすさで圧倒的なシェアを持ち、Yahoo!奇摩はニュースやショッピングなど多彩なサービスで人気を集めています。

台湾でよく使われているSNS

台湾ではLINEの利用率が約90%に達しており、幅広い年齢層に利用されています。
「LINE Pay」も普及しており、キャッシュレス決済が広がっています。

日本でもLINEの利用率は約85%と高く、LINE Payが同様に普及していますが、台湾の方がやや高い傾向にあります。

各SNSの利用状況は、日本と大きく変わりないと言えます。

出発前の情報源ランキング

訪日台湾人観光客の出発前の情報源を見ると、1位は個人ブログ、2位はJNTOのサイト、3位は旅行会社のウェブサイトです。

個人ブログが1位であることから、台湾人は実体験や口コミを重視し、信頼性の高いリアルな情報を求めていることが分かります。
JNTOのサイトが2位に挙がるのは、公的機関の情報を信用している証拠です。旅行会社のウェブサイトも利用されていることから、計画段階でプロのアドバイスも参考にしていることがうかがえます。

台湾の歴史・特徴

名称台湾/Taiwan
人口2357万 (2020年)
言語中国語(繁体字)ほか
日本との時差-1時間
1人あたりのGDP2万2,453米ドル
訪日客数416万8,000人(第3位)
学校の長期休暇1月下旬〜2月中旬の旧正月に約20日間の春季休暇
7月上旬から約60日間の夏季休暇
訪日旅行のピーク6月(39.8万人)、7月(39.7万人)、4月(38.4万人)
フライト時間3時間30分〜4時間程度
台湾の歴史と日本

台湾の歴史は、日本と密接な関係を持っています。1895年から1945年までの50年間、日本は台湾を統治していました。この時期に日本はインフラの整備、教育の普及、医療の向上などを推進しました。特に教育分野での影響は大きく、多くの台湾人が日本語を学びました。また、日本統治時代に建設された建物や文化が、現在でも台湾に残っています。

第二次世界大戦後、台湾は中華民国政府の統治下に置かれましたが、日本統治時代の影響は長く残りました。多くの台湾人が日本との交流を続け、文化的なつながりを保ってきました。台湾では日本のポップカルチャーや食文化が人気であり、観光やビジネスでも密接な関係が続いています。

現在、訪日台湾人観光客は日本の歴史的建造物や自然景観、温泉などを楽しむために多く訪れています。特に、日本統治時代の影響を感じられる地域や施設は、台湾人観光客にとって特別な意味を持つことが多いです。また、日本人の親切さや礼儀正しさ、清潔さが台湾人にとって高く評価されています。

台湾人の日本へのイメージは非常に良く、「近くて親しみやすい国」として捉えられています。
歴史的なつながりと現代の友好関係が相まって、台湾人にとって日本は旅行先として非常に魅力的な場所となっています。こうした背景が、訪日台湾人の旅行スタイルや目的に影響を与えているといえるでしょう。

訪日台湾人の特徴

訪日台湾人の特徴にはいくつかのポイントがあります。

まず、台湾人は親日的であり、日本の文化や風習に強い興味を持っています。特に日本の食文化やポップカルチャー、歴史的建造物に惹かれます。また、多くの台湾人は日本語を理解し、コミュニケーションに困らない場合が多いです。

まだまだ団体ツアーが多いものの、急激に個人旅行(FIT)が進んでいるのも特徴です。
団体ツアーではカバーしきれないニッチな観光スポットや体験を求める旅行者が増えているため、個人手配が増えています。

一方で、台湾人観光客にはネガティブな要素もあります。
例えば、時間にルーズな傾向があり、集合時間に遅れることがしばしばあります。また、団体行動が苦手な場合もあり、自由行動の時間を好むことが多いです。これらの点は、観光業界が対応する上で考慮する必要があります。

訪日台湾人のニーズを掴んでいこう!

台湾人は訪日へのリピート率が高く、親日的な方が多いです。
こうしたことは、「地方」に対しても訪日台湾人がたくさん来てくれる可能性を示唆しています。

「外国人は”非日常”を楽しみに訪日する」
その”非日常”には、日本の伝統的な文化だけでなく、日本人には当たり前の文化も含まれています。

自分の地域に、外国人にとってどんな”非日常”があるのか。
それが、「行きたい!」と思うほど強い欲求を生み出すものか。

を考えていく必要があります。
そのためには、ターゲットとなる人のニーズや特徴を正しく把握することが必要です。

当サイトでは、外国人観光客の気持ちをしっかり掴むインバウンドビジネスの参考になる様々な調査を、今後も行ってまいります。

私が台湾への営業活動前に熟読した書籍

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  • この記事を書いた人

上野 颯

添乗員・観光イベントの企画者

1998年 愛知県一宮市生まれ、岐阜市育ち
中学生で最年少岐阜市まちなか案内人デビュー
2017年に地元の旅行会社に入社。
カリスマ添乗員・平田さんに学びながら、ツアーの企画・添乗に従事。
2019年には「添乗員上野と行くツアー」初企画
2020年に、コロナ禍で旅行予約が0になったことを機に、観光DXの重要性を感じ、IT技術を広く習得
2023年、株式会社aini-kuを設立。
公立高校 商業科(観光ビジネス)臨時講師、観光コンテンツの企画、バスツアーの企画などを行っています。

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