大阪府のインバウンド市場
大阪府の人気観光地
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、「スーパー・ニンテンドー・ワールド」や「ハリー・ポッターエリア」など国際的に人気のコンテンツが揃う、世界的なテーマパークです。大阪インバウンドの中心的存在であり、関西国際空港からのアクセスの良さも相まって、訪日客の集客と消費を牽引しています。
道頓堀

道頓堀は、大阪ミナミを代表する繁華街で、ネオン輝くグリコ看板やカニ道楽などの巨大看板が象徴的な観光名所です。食い倒れの街として知られ、たこ焼きやお好み焼きなど大阪グルメを楽しむ外国人観光客に人気があります。
大阪城公園

大阪城公園は、大阪のシンボル「大阪城天守閣」を中心に広がる歴史公園で、国内外の観光客に人気のスポットです。豊臣秀吉が築いた名城として知られ、天守閣からは大阪市街を一望できます。春は桜の名所として花見客でにぎわい、秋には紅葉、冬にはイルミネーションと四季折々の魅力があります。
通天閣

通天閣は、大阪新世界エリアの象徴的なタワーで、昭和レトロな雰囲気と庶民文化を体験できる人気観光地です。周辺には串カツをはじめとした大阪B級グルメの店が立ち並び、食文化と観光が融合した活気ある街並みが広がります。大阪のローカルカルチャーを体感できるインバウンド拠点となっています。
黒門市場

黒門市場は、大阪・日本橋に位置する約600メートルのアーケード市場で、新鮮な魚介や肉、野菜、果物を扱う店舗が並ぶ「大阪の台所」として親しまれています。寿司や刺身、神戸牛の串焼き、フルーツなどを食べ歩きできる点が外国人観光客に人気で、特にアジア圏からの訪日客でにぎわいます。近年はインバウンド需要を受け、英語や中国語対応の店舗も増加しています。
梅田スカイビル

梅田スカイビルは、大阪・梅田にそびえる高さ173メートルの超高層ビルで、空中庭園展望台からは大阪市街を360度見渡せる絶景が楽しめます。特に夕暮れから夜景にかけての眺望は外国人観光客に人気が高く、「世界の建築トップ20」に選ばれたデザイン性も注目されています。
海遊館

海遊館は、大阪・天保山にある世界最大級の水族館で、インバウンド観光客に高い人気を誇る施設です。巨大な水槽「太平洋」ではジンベエザメをはじめ多彩な海洋生物を間近に観察でき、環太平洋の自然環境を再現した展示は迫力満点です。
ハルカス300展望台

ハルカス300展望台は、日本一の高さを誇る超高層ビル「あべのハルカス」の58〜60階に位置する展望施設です。地上300メートルからは大阪市街を一望でき、天気の良い日には京都や神戸、明石海峡大橋まで見渡せます。ショッピングもできるので、都市型観光スポットとして人気になっています。
難波八坂神社

難波八坂神社は、大阪・難波にあるユニークな神社で、高さ12メートルにも及ぶ巨大な獅子殿がシンボルです。この獅子の口の中が舞台になっており、「口に入ると勝運を得られる」として受験生やスポーツ関係者に人気があります。境内はコンパクトながらインパクトが大きく、写真映えスポットとして外国人観光客にも注目されています。
大阪府を訪れる外国人観光客数(宿泊客数)
大阪府を訪れる外国人観光客 国籍別割合
大阪府を訪れる外国人観光客 消費額の割合
2025年大阪関西万博も開催されたことで、「大阪」の認知がさらに高まり、インバウンドが増えることが予想されています!
外国人の行動ルート・特徴ほか
中国人観光客
基本データ
2019 | 2024 | |
---|---|---|
訪問率 | 65.5% | 61.4% |
1人1回あたり 消費単価 | 75,324円 | 109,819円 |
平均泊数 | 2.2泊 | 2.9泊 |
観光ルート・特徴
中国人観光客は大阪・関西への訪日客の中でも最大規模を占め、USJや道頓堀などの定番観光地に加え、奈良公園での鹿とのふれあいも人気です。
買い物需要が非常に高く、百貨店や免税店、ドラッグストアで化粧品や健康食品、家電などをまとめ買いする姿が多く見られます。
かつての「爆買い」は大幅に減少し、現在は日本文化や体験を重視する観光へとシフトしています。
この変化により、高額ブランド品の購入が減少し、百貨店など都市部の小売業の売上にも影響が見られます。
韓国人観光客
基本データ
2019 | 2024 | |
---|---|---|
訪問率 | 30.7% | 32.7% |
1人1回あたり 消費単価 | 51,948円 | 65,295円 |
平均泊数 | 2.7泊 | 2.9泊 |
観光ルート・特徴
関西空港から約2時間とアクセスが良いこともあり、2泊3日〜3泊4日の短期滞在が主流です。
大阪ではハルカス300展望台、USJ、大阪城、道頓堀といった定番スポットが特に人気で、京都や奈良と組み合わせた周遊パターンも多く見られます。
買い物も重要な目的で、ドンキホーテやユニクロ・GUなどの大型店を訪れる観光客が多く、めぐりズムやカラコンを中心に、日本製コスメなどリラックス・美容関連商品の購入が目立ちます。
台湾人観光客
基本データ
2019 | 2024 | |
---|---|---|
訪問率 | 26.7% | 27.4% |
1人1回あたり 消費単価 | 48,178円 | 81,653円 |
平均泊数 | 2.5泊 | 3.1泊 |
観光ルート・特徴
台湾人観光客は日本へのリピーター率が高く、関西を訪れる際は神戸や京都、奈良など近畿圏をセットで巡る周遊型旅行が多く見られます。
大阪ではUSJや道頓堀など、日本のエンタメと街歩きを楽しめるスポットが特に人気です。グルメへの関心も高く、食べ歩きやレストラン巡りを旅行の目的にするケースも多いのが特徴です。
滞在日数は比較的長く、買い物や宿泊を含めた地域経済への貢献度が高いため、関西インバウンド市場の中でも重要なターゲットといえます。
アメリカ人観光客
基本データ
2019 | 2024 | |
---|---|---|
訪問率 | 37.2% | 47.5% |
1人1回あたり 消費単価 | 36,593円 | 74,803円 |
平均泊数 | 2.3泊 | 2.9泊 |
観光ルート・特徴
アメリカ人観光客は比較的長期滞在が多く、大阪滞在中に主要観光地を幅広く巡る傾向があります。
大阪城や道頓堀、USJといった定番スポットに加え、日本文化への関心が高く、だるまで有名な勝尾寺やユニークな獅子殿を持つ難波八坂神社など、歴史や宗教文化を体験できる場所も人気です。
また、ナイトエンターテイメントや美術館・現代アート施設を訪れるなど、日本の伝統文化と現代文化の両方を楽しむ傾向があります。
大阪だけで滞在する旅行者もいますが、京都や奈良、神戸と組み合わせて広域的に周遊するケースが多く、観光地にはゆったりした宿泊施設が求められています。
香港人観光客
基本データ
2019 | 2024 | |
---|---|---|
訪問率 | 32.5% | 31.8% |
1人1回あたり 消費単価 | 68,917円 | 129,973円 |
平均泊数 | 3.0泊 | 3.9泊 |
観光ルート・特徴
香港人観光客は日本へのリピーター率が非常に高く、効率的に観光と買い物を楽しむ傾向があります。
大阪では心斎橋や黒門市場などショッピングスポットが特に人気で、日本ならではの食材、和牛や海鮮の食べ歩きを目的とする旅行者も多く見られます。
USJや道頓堀などの定番観光地も訪れますが、買い物やグルメ体験に重きを置くケースが多いのが特徴です。
京都や奈良、神戸とセットで観光することも多く、大阪での滞在日数は比較的短めですが、
1回あたりの消費額は高いため、大阪インバウンド市場における重要な購買層となっています。
課題
大阪内でも一極集中している
大阪のインバウンドは道頓堀や心斎橋、USJなど一部エリアへの集中が顕著で、他地域への観光分散が進んでいません。
結果として、中心部は混雑する一方で郊外や新興観光地の集客は弱いままです。
長期的には大阪府が主体となって広域観光を促進していくべきだと思います。
短期的には、通訳ガイドと連携して定番スポット以外の魅力を積極的に紹介してもらったり、着地型ツアーの企画をしたりすることが効果的です。
オーバーツーリズムの懸念
人気スポットに観光客が集中し、混雑や騒音、マナー問題などが地元住民の生活環境に影響を及ぼしています。
特に道頓堀周辺では歩行者の安全やゴミ問題も課題となっています。
観光客と地域社会の共生を図るため、時間帯分散や予約制導入、周遊ルートの提案など、需要コントロール型の観光マネジメントが必要です。
観光人材の不足
インバウンド需要が回復する一方で、宿泊業や飲食業など観光関連産業では人手不足が深刻化しています。
特に多言語対応スタッフや接客経験者の確保が難しく、サービス品質の低下が懸念されています。
働きやすい職場環境の整備やデジタルツールの導入、外国人労働者の活用といった中長期的な人材確保策が急務となっています。
これからの大阪府のインバウンド市場は?
大阪の観光の未来像として、
「世界都市と比較した競争力をどう強めていくか」ということを考えていると感じています。
「日本に来たら、OSAKAも行っておこう」
というポジションだけでなく、
「世界の名だたる都市の中で、選ばれる都市にする」ということ。
そのために、
万博からのIRカジノ建設を契機に、ラグジュアリー観光へのシフトし、
ナイトエコノミーを強化して、都市としての魅力を高める。
これには「日本らしさ」がなくなるのでは?という声もありますが、
香港や上海、バンコク、シンガポール、ニューヨーク、パリなどの強い都市間競争を見据えた
「日本の大阪」から「世界の大阪」になるための戦略を考えていることが分かります。
私個人の見解としては、国としてもかつてのように「政治の東京、経済の大阪」に戻したいのかもしれないと感じています。
このままいけば、東京に日本人、外国人ともに一局集中して、パンクすることは目に見えています。
分散の意味でも、東京とは違った都市のあり方を模索しているのかもしれませんね。
インバウンドについて、お悩みはありませんか?
インバウンドの分析・調査だけでなく、実際の企画立案・運営まで手がけてきた経験を活かし、貴社のインバウンド戦略を全力でサポートいたします。
どんな課題でも、具体的な解決策をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
日本の観光業をさらに発展させるため、共に挑戦しましょう!
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